夜中の2時に柳橋中央市場に取材で行ったことがある。市場の人たちにとっては、そんな時間帯は当たり前で、とにかく無駄のない動きで、忙しなく働き続けていたのが印象的だ。その仕事ぶりは見ていて気持ちがよく、こっちまでしゃきっとしてくる。一体一番早い店は何時から動いているのだろうと思ったら、日が変わる前から…らしい。あぁここには独特な時間が流れている、なんて感じたのを覚えている。一般客でにぎわう大みそかもワクワクするけれど、プロ同士の取引を垣間見える普段の市場もおもしろいので、一度のぞいてみてはどうだろうか。
今日食卓に並ぶ予定の魚も、先週末にお気に入りのお店で食したお刺身も、もしかしたら柳橋中央市場を通ってきたのかもしれない。私たち名古屋人の暮らしと密接に関わるこの市場は、発展目覚ましい名駅のすぐそばに位置している。全国的にみても、これほどの都心立地の市場は珍しいそうで、もうちょっとアピールしてもいいのかもしれない。
柳橋中央市場の始まりは明治初期頃だったという。長い時を歩んできたこの市場も、名駅の開発とともにいつか変わってしまうのだろうか。願わくは、この場所でいつまでも名古屋の食を支え続けてほしい。魚離れなんて笑い飛ばせるほどの賑やかさで。
文:大島清花






























